「千寿郎、今日はすまなかった」「そ、そんな……」「俺はお前が心配だったのだ。どうしても猗窩座だけは受け入れがたい。はっきり言おう、俺はあいつのことが嫌いだ。今すぐにでも別れてほしいと思ってる。男同士だからではない、あいつ以外なら俺はきっと受け入れられる」兄がここまで嫌うなんて、一体何があったのだろう。だが、千寿郎だって引けない。この二人に何かあったとしても、千寿郎は猗窩座が好きだ。この気持ちを誤魔化すことはしたくない。「兄上、ごめんなさい。僕は猗窩座さんのことが好きです。今すぐに認めてほしいなんて言いません。お二人の確執がはなにかもわかりません。ただ、もう少し見守ってほしいんです」「……そうか」