護衛たちはティーナと俺の会話を邪魔しないよう待ってくれていたのだろう。 その護衛たちが呼びに来たということは、本当にもう次の予定までギリギリに違いない。 引き留めることは出来ない。「ウィルさま。総長閣下との約束の時間があるから、わたしはこれで失礼するわね」「ああ、引き留めて悪かった」「いえ、お会いできてうれしかったわ。学院でも親しくしてくれると嬉しいわ」「ああ、こちらこそ。総長閣下によろしくな」「てぃーなねえちゃん、またね!」 サリアがぶんぶんと手を振って、ティーナも手を振り返す。 そして、ティーナは本館の中へと小走りで入っていった。 ティーナの護衛たちは俺に向かって深々と頭を下げる。しばらく頭を上げなかった。 それから足早にティーナの後を追って行った。「あっ」 俺はそこではじめて気づく。 ティーナの護衛たちは俺が治癒魔術をかけた者たちだった。 彼らはあの時、意識はなかったはずだ。だが、今の俺とティーナの会話を聞いていたのだろう。 それで、俺が治癒魔術をかけた者だと理解したのだ。 元気そうで何よりだ。 それから俺はルンルンの散歩の続きをやってから中庭へと移動する。 そこでサリアとルンルン、フルフルと遊ぶ。 サリアが楽しそうにしてくれるので俺も嬉しい。 しばらく遊んでいると、アルティもやって来た。 アルティもサリアと遊んでくれる。とても助かる。 しばらく遊んでいるうち、サリアは遊び疲れて眠ってしまった。 お昼寝の時間だろう。「部屋に戻るか……。いや、まあいっか。ルンルン。フルフル。サリアを頼む」「がう」「ぴぎっ」 俺はサリアを伏せているルンルンにもたれさせる。 すると、フルフルもサリアのお腹辺りに乗っかった。フルフルは掛布団のつもりだろう。 フルフルは冷んやりすることも出来るらしいが、少しだけあったかいことが多いのだ。 俺は安心して、サリアの近くで訓練をすることにした。「私も付き合います」「そうか? なら頼む」