なるほどな……彼女達の好きにさせてやろうと思う。 とんだ修羅場になってしまったが、女達が身体を洗いたいと言う事なので、LEDランタンで照らしながら建物の裏手にある井戸へ行く。 そこには古そうな石造りの井戸があった。 俺は、LEDランタンを井戸のそばへ置くと、アイテムBOXから石鹸を取り出して彼女達に貸してやる。「ほら石鹸だ。好きなだけ使って良いぞ」 まぁ、リンスは要らんだろ――と思ったら、プリムラさんもやってきた。 一緒に身体を洗いたいと言う。それならば、リンスを出すか。「石鹸で頭を洗ったら、この薬を使え。使い方はこの人が知っている」 タオルとバスタオルがいるな――シャングリ・ラを検索して、5枚3000円のバスタオルを4組と10枚1500円のタオルを2組買う。 それから女達の服が必要だろう。プリムラさんの服も破れてしまっているからな。 黒いリボンがついたシンプルな白いブラウスを1枚購入してみて、彼女達の意見を聞いてみる。「みな同じ物になってしまうが、これで良いか?」「助けてもらって服までもらえるなら、なんでも良いですが……あ、でもこれ、合わせ目が……」 シャングリ・ラに売っている女物の服は全部左前だ。だが、この世界の洋服は全部右前で統一されている。「あ! そうかぁ。こりゃ、しまったなぁ」 改めて検索を掛ける。合わせ目の無い頭からすっぽりと被るタイプの白いブラウスを出すと、皆がそれで良いと言う。 1枚2000円程だな、サイズはMそれが20着――4万円だ。 それから、スカートだ。この世界でメジャーな紺色のマキシのロングスカートを出してみた。 これは問題が無いようだ1枚2000円で、これもサイズMが20着だ。 だが、1人デカい女がいるのを忘れていた、はっきりいって獣人の男ぐらいデカい。 スカートの胴回りはLサイズなのだが、背が高く脚も長いのでマキシのスカート丈が半端になり、イマイチおかしい。 それでもズボンを履くよりは、スカートが良いらしい。 上は肩幅も広く女物は全く合わない。仕方なく男物のTシャツと紺のジャケットを着せた――中々似合う。 彼女の話では力も強いので物運びや畑仕事をやらされていたようだ。「え? 畑なんかもあるの?」「ありますだ。宿舎の裏にありますだ」 声も低くでハスキーボイスだが、赤い髪をポニーテールにしていて顔は結構可愛い。 女達が裸になって身体を洗い始めたので俺が退散しようとすると、ミャレーが汚れたボロボロの服を着た1人の子供を連れてやってきた。「この子も洗ってにゃ」 顔は真っ黒で、長くて黒い髪の毛がボサボサだ。だが、その黒い頭に何か白い物が動いたような気がする――。 アイテムBOXから、LEDヘッドライトを出して光を当ててみた。確かに髪の毛の中に白く蠢うごめく物がいる――虫?