暗い洞窟の中で 巨大な湖の北側に走る崖を測量しながら、俺たちは水面をゴムボートで進んだ。 どこにも岸が見えず、水上での一泊も覚悟していたのだが、崖の横に大きな洞窟を見つけた。 奥はふさがっていたが砂浜があり、そこで一泊と喜んでいたのだが――。 俺たちの前に現れたのは、赤い土管のような巨大な管虫。 皆の力を合わせて、これをなんとか撃破。俺のアイテムBOXには、荷物がまた増えた。 こんな巨大なものがゴロゴロ入っていても、アイテムBOXにはまったく重さを感じないし、今のところ容量の限界が見えている風でもない。 いったいどういう仕組なのか、皆目見当もつかないが、これがなければシャングリ・ラを使えたとしても、かなりのハードモードになっていたに違いない。 アネモネの魔法によって、コーヒー牛乳のようになってしまった水の中に漂う、巨大な管虫の躯むくろをアイテムBOXに収納すると、皆が待っている岸に戻ってきた。「やったぞ! アネモネ!」「うん!」 彼女の頭をなでてやる。「それじゃチューして!」「ん~、しょうがないなぁ」 彼女を抱きかかえると、軽くだが口づけする。「なんじゃそれは! 妾にもするがよい!」「だって、リリスは家の中で隠れてただけでしょ?」「ぐぬぬ……」 これはアネモネの方が正論っぽい。 彼女たちも、ほっと安心しているものと思っていたのだが、獣人たちがなにやらあたふたしている。「旦那、まさかあれをアイテムBOXに入れてきたのかい?」「ああ、だって食えるし、もったいないだろ?」「うえ!」「うにゃ!」 ああ、なるほど、そのせいか。「別にお前らに食えとは言わんよ――それより波にさらわれた明かりを回収するのを、手伝ってくれ」 最初に出していたLEDランタンは、アネモネの魔法によって引き起こされた波によってさらわれて、水中に引き込まれてしまった。 この世界のランタンなら、すぐに消えてしまうが、こいつはLEDでしかも防水だ。 実際、濁った水の中からうっすらと光が漏れてきている。 安物の簡易防水だが、水没したぐらいなら、なんとか保つものらしい。「にゃー」 ベルが俺の所にやってきた。 どうやら救命胴衣を脱がしてほしいらしい。 ベルの救命胴衣をアイテムBOXに入れると、シャングリ・ラから3000円の水中メガネとシュノーケルのセットを購入。 アイテムBOXからゴムボートを出すと、服を脱いで水中メガネを装着した。 慣れれば海でも目が開けられるが、消毒されたプールの水と違い、なにがいるか解らんし。