足りない分の薪は今まで購入していたんだそうだ。「そうだったのか。気が付かなくてゴメンなぁ。そうか、そうだよなぁ。石窯には薪が必要だよな」 テレーザからは何度も焼きたてのパンのお裾分けをいただいておいて、気が付かないとは主人失格だよ。「切り倒した木は、遠慮なく全部薪として使っちゃって。ある程度の長さに切って、端っこに積み上げておけばいいかな? 細かく切っておいた方がよければそうするぞ」「いえいえ、端に積み上げておいていただければ、あとはこちらでやります。ね、アンタ」 テレーザから話を振られた旦那のアルバンが、何度も頷いていた。「分かった。じゃあ、そうしておくな」 そう話がまとまったところで、みんな今日の仕事をやるべく散っていった。「で、お前らはなんでここにいるんだ?」 みんなが散ったあともこの場にい続ける元冒険者組の双子、ルークとアーヴィン。「俺らは今日休みだから、暇なんすよ」「そうそう。木を切り倒すって、フェル様たちがやるんすよね? 面白そうなんで見物っす」「見物ってなぁ、お前らは。まぁ、いいけど、邪魔だけはするなよな」「そんな、邪魔なんてしないっすよ~」「そうそう、そんなことしないっす」 物見遊山の双子は放置して、俺たちは仕事に取り掛かることにした。「それじゃあ、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイ、それぞれ木を切ってほしいんだけど」『うむ。我はこの木を切ろう』 フェルは右斜め前にあった太い木を切ることにしたようだ。『儂はこの木を切ろう』 ゴン爺は左側にある太い木を選んだ。『チッ、太い木を先に選ばれちまったぜ。しゃーない、俺はこれにする』 フェルとゴン爺が選んだ木よりは細いものの、それでもけっこうな太さのある木を選んだドラちゃん。『スイはねー、これ!』 スイが選んだ木も、ドラちゃんが選んだ木と同じくらいはありそうだ。「それじゃあみんな木を切り倒し…………、あーっ! たんま、たんま! まだ切らないでーっ!!!」 みんなに木を切ってもらおうとした直前、ものすごく重要なことに気付いた。『なんだ、急に大声を出して』「いいからみんな、いったんこっち集まって」 ブツクサ言いながらもフェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイが集まってくる。「な、なぁ、みんな。それぞれの木って余裕でスパッと切れるんだよな?」『当然だ』