「だが、結構重いぞ。石じゃなかったら、金貨かもな」「にゃにゃ!」 喜ぶミャレーと違い、アネモネは興味深そうに箱を見つめている。金貨より他の何かが入っているのを期待している顔だ。 ナイフを蓋の隙間に入れてこじると、蓋が開く。「さて、何が入っているかな」「わくわく」「にゃ~!」「おりゃぁぁ!」 勢い良く蓋をあけると、中に入っていたのは本――と袋に入った何か。袋を持つとずっしりと重いので、こいつは金貨かもしれない。 だが、本は……。「こりゃ、魔導書か?」「本当に?」 ページを開くと――色々と文章が書いてあって、最後に呪文が書いてある。「虚ろな異空へと通じる深淵の縁よ――こりゃ、爆裂魔法だ」 シャガのアジトを襲った時に、砦の門を吹き飛ばした爺さんが、同じ呪文を唱えていた。 魔導書をアネモネに渡すと、彼女は真剣に、その内容に目を通している。「虚ろな異空へと通じる――」「わ~! 待て待て! ここじゃなくて、もっと安全な所で魔法は試そうな?」「解った」 ふう……あぶねぇ。魔法の詠唱に入ってしまうと、トランス状態になるので止められないからな。 本当にぶん殴って止めるしかなくなる。 こんな所でぶっ放して、崖が崩れたりでもしたらヤバい。 一緒に出てきた袋には、金貨と銀貨が入っていた。金貨が10枚、銀貨が12枚だ。これは半日の稼ぎとしては破格だろう。 そして、いつもの通り、ミャレーは分前は要らないと言う。「本当に要らないのか?」「要らないにゃ~。もっと面白い仕掛けがある宝箱だったら、良かったのにゃ~」「面白い仕掛けってどんなのだよ」「お宝を取ったら、ゴーレムが起動するとか、そういうやつにゃ」「そっちの方がヤバいだろ!」 だが、像があった場所から、突然青い光が広がる。