【なじんできた生活を最期まで保つ】は,相手にとって居心地のよい自宅での生活をこれまでどおりに保つことに価値があると意味づけている.{二人の残された時間を居心地のよい空間の中で過ごす}は「みんな一緒にいるということで喜んどるんで,それが病院でなしに家だというのが,ああよかったってことで.もうこうやって馬鹿なこと言って一緒におったんやし,なるようにしかならんのだから,ただ少しでも痛いとか苦しいとかって言わんようにおってほしいなあと思ってるだけ」.と語られるように,≪二人の日常に幸福感がもど る≫≪一緒に生きてきたことを互いに認めあえる≫≪互いの安心感を伝えあう≫≪相手が今は元気で いることを実感する≫という意味づけを含んだEnriching event を繰り返すことによって,相手が安らかな気持ちで過ごせるように状況を整えるこ とに在宅介護の意味を見いだしていた.