沙希子ちゃんを拉致した公園から車で数時間かけた山の中に、僕の新しい家があ
る。
幸い、到着するまで沙希子ちゃんは目を覚まさなかった。
滅多に人なんて通らないが、僕は用意した毛布に沙希子ちゃんの体を包んで隠し、
家の中に連れ込んだ。
そこに、生活観は全く無い。がらんどうな、牢屋のような家。
「ぅ、ぅん……」
沙希子ちゃんはもぞっと、眉間に皺を寄せて寝返りを打とうとした。が、背中に
ランドセルを背負ったままの為上手くいかない。
制服の紺スカートの間から物凄く健康そうな太股が覗いている。
僕は沙希子ちゃんが目を覚まさない内に、その首に犬用の首輪をはめ、リードを
柱に結び付けた。
「ん……」
ゆっくりと、沙希子ちゃんの目が開いてくる。
「おはよう、沙希子ちゃん……」
「はっ!?」