「まぁ! なんということでしょう! 素晴らしいですわ! ケンイチ、これも売ってもよろしいですか?」「はぁ? まったく、本当になんでも売っちゃうんだからなぁ。まぁ、いいよ」 ちょっと判断が難しい案件なのだが、プリムラの機嫌が治ったようなので、よしとしよう。 彼女は夫に新しい女ができるより、デカい商売の方が重要――いや、俺がとんでもないことばかりしでかすので、諦めたというべきか。 それに俺が貴族になれば、マロウ商会にもたらされる恩恵は絶大。妻としての女の感情を横に置けば、商人としてこれ以上の好機はない。 まさに千載一遇といえるだろう。 彼女にプラチナの1オンスコインや、ペンダント型になった1/5オンスのコインを渡す。 それを持つと、プリムラは喜び勇んでお城へ戻っていった。 真珠とプラチナで、一体どれだけの売上になるのだろうか? 想像もつかない。「ケンイチ、人数が多いと大変だな。はは、頑張れよ。なお後ろから刺されても、俺は助けないので、そのつもりで」「肝に銘じておくよ」 時間は過ぎて、そのまま夕方になり、食事の準備。家族はインスタントカレーを――。 俺とアキラは、またホルモン焼きを食うことにした。 なにせドラゴンの腸が大量にあるのだ。このホルモンを大量に食うという案件についても、俺たちには絶大なアドバンテージがある――それは祝福だ。 いくら食っても、プリン体を大量摂取しても俺たちは痛風にならない、異世界万歳!