◆◆◆◆◆◆ ルビーフォルン伯爵家についた時にまず一番に驚いたのが、使用人のリョウ殿に対する接し方だった。 挨拶は基本的に額を床にこすりつけてするような有様で、はっきり言って、当主であるルビーフォルン伯爵様よりも敬っているのではと思った。 まだ子供であるはずの彼女なのに、それほどの影響力を持つということに驚きはしたけれど、でも、まだ付き合いの浅い私でも、妙に納得できた。 彼女には不思議な魅力があった。 結界が壊れ、魔物がいつ襲って来るかもしれない状況なのに、彼女と一緒にいれば大丈夫だという気持ちにさせてくれる。 彼女のそういうところが、ルビーフォルン伯爵家の使用人にしたわれる所以なのかもしれない。