そう伝えると、少女の瞳は真ん丸になった。 有休という制度については彼女も良く知っている。なにを隠そう、マリアーベルを日本へ招待したその日に取得していたくらいだからね。 ふうんと少女は小さく声を漏らし、何やら思案の表情を見せる。「あら、それはつまり2人っきり、ということかしら?」 なぜかきょろりと周囲を見渡しながら、マリーはそう尋ねてくる。もちろん誰も聞き耳を立ててなんかいないし、もしいるとしたらこの小鳥くらいだ。「ん? うん、そうなるね。考えてみるとそういう機会は少なかったかもしれない。いつもこうやって賑やかにしていたし、黒猫のウリドラも含めて誰かと一緒にいることがほとんどだったかも」