第10章 現状と将来の展望と願望今日は日曜日。仕事は午前で終わらせ、午後からは休みにした。倉庫の新築祝いをしていなかった皐を呼び、昼食を振る舞う。と、言ってもBBQだ。『ポーン』楓からメールだ。「お疲れです。今、ちなちゃんとコンビニに居ます。そっちに行っても良いですか?」「大丈夫、遊びにおいで。皐も来るよ。」と、返信をする。程なくして皐が来た。「お疲れ様です。今日はごちそうになりますw」「お、来たね~。そうそう、楓と千夏も来るってメールもらったよ。」人数が増えるのを伝える。「そうなんですねw予め楓ちゃんには伝えてあったんです。よかったぁw」皐は始めから2人を呼ぶつもりだった様だ。そうすると食材が足りない。買出しだ。「おつです~来ちゃいましたw・・お、BBQですな~w」「おじゃまします。」千夏と楓がやってきた。「お、来たな。食材、買ってくるから先に始めてて良いよ。」車の準備をしていると楓がやってきた。「私も付いて行って良いですか?」買出しは人数が多いと助かる「あぁ、良いよ。助かるわ~」買出しに出発だ。車内で楓が私に聞いてくる。「・・皐さんの娘さん・・どうなったんでしょう?社長、何か聞いてますか?・・」流石に、直接本人には聞けなかったのだろう。「あぁ・・娘さんは、向こうの家庭で暮らすみたいだよ。皐は泣きながら話をしてくれたんだ・・それ相応の覚悟だったと思うよ。」「・・そうだったんですね・・私も話は聞いてたんですが・・母子家庭で育てて良いのか、両親が揃っている家庭が良いのか・・色々考えていたみたいです・・」皐は、娘さんには両親が必要と思った訳だ。「皐、本人が決めた事だ。尊重しよう。それと、この話はもう止そう。皐の中では終わっている事だろうから。」私は楓に諭すように話をする。「・・・そうですね。そうします。娘さん、幸せになれると良いですね。」私もそう思う。両親が揃っていても不幸な子供は沢山いるのだ。買出しを終えて倉庫へ戻る。楓の買い物は、ほとんどが糖分だ。私も甘い物は好きだ。食材を千夏と皐の所に持って行くと、千夏が寄ってきた。「社長!皐さん『お泊り』したって!ホント?」「あぁ本当だよ。この前の出荷の日だな。」「いいな~・・ちなも『お泊り』したいな~」千夏はお泊りしたいらしい。「ふふふっ。そこは大人の特権w」皐が千夏を煽る。「ちな、18歳だから大人だよぅ~w」千夏は拗ねた様子だが笑っている。「『お泊り』ですか?私もお泊りしたいです。誘ってくれないんですか?」楓まで参加してきた。研修か、何かを計画して『お泊り』を実現しよう。BBQをしながら、雑談していると高校生の進路の話になった。一応、進学校だが、他の進路も勿論ある。「この前、ちゃらい大学生に『一緒に遊びに行かない』って声掛けられたよね。かえちゃん。」「あ、覚えてる。しつこかったよね。『俺、xx大学なんだ~』とか言って。」この2人、確かに、ナンパされてもおかしく無い可愛さだ。「結局、無視してたら行っちゃたけど、あんな大学生になるんだったら、大学いっても意味無いのかな~」楓はそう考えているらしい。「だったら、前にスカウトしてきた芸能事務所に連絡してアイドルにでもなる?」千夏が代替案をだしてきた。そうか・・・芸能人、アイドルも可能な2人だよな・・・「一応、名刺は取ってあるけど。・・怪しかったよね、あのスカウトの人・・」楓はスカウトを疑っている様だ。私は「自分の将来だ。良く考えてみると良いよ。」としか言えなかった。本当は、卒業した後もここで働いてほしいと思っている。しかし、2人の可能性を否定したくは無かった。