どっちだっていいが、その時に関してデクの考えていることは痛いほど理解できて、俺は多々思うところはあれど、最善策だとは思った。しかし同時にその行為が怖ろしくもあった。この戦いのあと、デクの今後をどうしてしまうのか。また俺は、なにか大切なものを終わらせちまうのかと叫びたくなった。だがそれでも、デクの真っ直ぐな視線は揺らがなかった。それを無視することなんて出来なくて、デクに負けないくらい傷だらけの腕をデクに伸ばした。肩から千切れてしまいそうなくらい真っ直ぐに、デクに触れるため、それだけのために。血が滲んだデクの人差し指の先端に、己の指が届いたとき、くちゅり、己の血液と混ざる音がした。ああ、まだだ、と思った。いや、十分な接触ではあった筈だ。だけれどそれだけじゃ足りなくて、いや、デクをそこで終わりになどするつもりもなくて、俺から離れないように、引き寄せるように、届く指すべてを、がしりと握った。まだてめェは終わりじゃない。終わりに、させたくない。それは俺のただの祈りだったかも知れない。今となってはそれも朧げで。じわりと指先が熱く燃えて、それから腹の底から全身をめぐる血肉が興奮するみたいに沸騰して、ーーーー、