ケーキはお客さんの注文によって製造を開始します。このとき、お客さんからの詳しい要望を書きとめ、これをパティシエに渡します。パティシエはこれに基づいて注文どおりのケーキを製作します。他の注文と間違えないように、番号をつけたりして区別します。このケーキ1個の原価は、このケーキの製作に要した材料費、労務費、経費を合算すれば、計算できます。
他方、パンは顧客の注文ではなく、1日に売れる量(販売可能数量ないしは販売目標数量)を予想して、製造します。このとき、パン1個の金額は、要した材料費、労務費、経費を合計し、それを完成数量で割り算することによって計算します。
このように、注文を受けて製品を製造する場合と見込みで製品を製造する場合では、原価の計算方法が違います。前者を個別原価計算、後者を総合原価計算とよびます。
製品によって、計算方法が違うのか。個別生産が個別原価計算で、見込生産が総合原価計算で計算するのね……
個別原価計算について考えてみましょう。
注文によって生産を行う工場の原価計算を理解しましょう。原価は加算で計算します。
個別原価計算とは
個別原価計算は個別受注生産用の原価計算です。
製品に用いる