身重のユイが心配で、急ぎソリステア公爵家別邸へ戻って来たアド。 だが、彼か帰宅して早々聞いた言葉は――「おめでたです。元気な女の子ですよ」「ファッ!? ダンティスさん……今、なんて……?」「じゃから、ユイ殿が出産したのじゃて。良かったのぅ、お主はこれで一児の父親じゃ」「な、なんですとぉ!?」 ――子供が生まれていた。 いや、出産間近なことは知っていたが、まさか数日空けている間に生まれてくるとは思ってもみなかった。「「アドさん、おめでとぉ!」」「あっ……あぁ………」 ただ、いきなり出産したことを告げられたので、アドは実感がまるでない。 むしろ出産に立ち会えなかったことに対する罪悪感いっぱいで、祝いの言葉が虚しく頭に響き渡っている。突然のことで放心するほどショックを受けたようだった。 彼が復活するのは、業を煮やしたシャクティ達に半ば強引にユイの部屋へ連行され、ベッドで横になるユイと我が子に対面したときだった。 その直後、彼の意味不明な歓喜の叫びが屋敷に響き渡ったという。