シルビアがゲッソリとした顔をした。 エコも「ほげーっ」と不満そうな声をあげて、さっきまでの元気が嘘のようにへにゃへにゃとなってしまう。猫耳も心なしかしょんぼりと下を向いている。「緊迫した場面が何度もあるだろうな。そこで如何にリラックスできるかだ」 若干の荒療治感は否めないが、こうでもしないと3週間後の冬季タイトル戦に間に合わない。 二人のステータス的に命の危機とまではいかないだろう。だが、ほんの少しのミスで「魔物に囲まれてタコ殴り」くらいは覚悟しておくべきだ。死ぬことはないとはいえ、結構痛い。そのような緊張感のある中でどれだけ落ち着いてパフォーマンスを出し続けられるか。少々かわいそうだが、二人にはここを何とか乗り越えてほしい。「一回でも無傷で帰ってこれたら、ご褒美をあげるぞ」「見ていろセカンド殿! リンプトファートなど私たちの庭だ!」「やるぜやるぜやるぜーっ!」 同情心からちょっと飴をチラつかせたらこれだ。こないだのショッピングが余程楽しかったと見た。まあ俺もすげえ楽しかったけど。「頑張れよー」「セカンド殿はどうするのだ?」「俺はアイソロイス回って盾術を全部段位にしてくる」「……そ、そうですか」 何故敬語?