「しっかし……こんな場所に待たせて何するつもりなんだ?」
「恐らくだが、私達を召喚した人間のトップと面会させられるのだろう」
賢治の呟きに答えたのは、何時も通りの冷静な神無月先輩だった。
確かに、神無月先輩の言う通り、俺達が待たされている場所の目の前には、意匠の凝った大きな木の扉が存在している。
中には偉い人がいますよ感が凄い。
目の前の扉に辿り着くまでの道のりも、高そうな壺やら絵やらが飾られてあった。電気が通っていない筈のこの世界で、普通に蝋燭の火では無いシャンデリアらしきものがある事から考えると、光も所謂魔法というやつで解決しているのだろう。
あれこれ考えていると、神無月先輩は冷静な様子で言う。