「おお!おおっ!ついに!ついにでございますか!?」「あ、ああ、うん、なんか多分、そうみたい」興奮しきりに詰め寄るラスムスの剣幕に、リネーアは引き気味に笑って頷く。たが一方で、とても嬉しくもっていた。「うううつ、おめでとうございます!本当におめでとうございまするつ! ご実父であらせられる亡き先代も、ヴァルハラでさぞお喜びになっておられるでしよう」目尻に涙まで浮かべ、それを腕で拭いつつ、ラスムスは熱つほく祝辞を述べてくる。胸がジーンと熱くなり、そっとお腹を撫でるこの子の誕生を心から喜んでくれる人がいるというのは、とても素晴らしいことだった。それが親同然に自分を見守ってくれていた人物なのだ。嬉しくないはずがなかった。「うん、ありがとうな、ラスムス。そうだな。父様もきっと喜んでくれるだろう」