ほら、釣れた。 アカネコは若干の苛立ち顔で、俺の言葉を催促している。「俺が一週間で覚えきれたら、島を案内してくれ。俺が覚えきれなかったら、死ぬまでお前の奴隷になってやる」「……奴隷か、悪くない。この季節は冷えるゆえ、私の履物を懐で温めてもらおうか」「そっちこそ、ミニスカートを履く準備はできているんだろうな?」「ど、どうしてそうなる!」「ツアーガイドはミニスカって相場が決まってんだよ」「全く、助兵衛な男め……」 アカネコは呆れつつも、腰の刀を俺に差し出した。 絆之矢と刀を交換し、再び向かい合う。「じゃあ、一週間後。この時間に、またここで会おう」「承知した。お前がどのような顔で参るのか、今から見ものだ」「こんな顔だったり」「ンフッ、やめろ! 笑ってしまったではないか! と言うかなんだその顔は!」「家ににらめっこ大好きな猫がいてな。日々研鑽してるんだ」「わけのわからんことを申すな! さっさと行け!」「はいはい」 ひらひらと手を振って、ユカリに召喚要請の通信を送る。 俺の腰には、アカネコから借りた刀。 ……さあ、【抜刀術】習得の時間だ。