「やー、恥ずかしーね。あたし歓迎会なんて初めてだから」「恥ずかしがることは無いわ。私だってイブはもう友達だと思っているもの。協力しあって、あの気持ち悪い男を叩き潰してやりましょう」 にこりと綺麗な笑みを見せられ、イブはすこしだけ頬を引きつらせた。それでも「気持ち悪い」と思える部分は共感できるのか、反論は飲み込んだようだ。 ウリドラはグラスを傾けつつ、こちらへ視線を送ってくる。「ふうむ、命を取らずこらしめるならば、難易度はより上がるのう。なにか策でも持っておるのか?」 まあ、そう聞かれると思いまして。 口で伝えるよりは早いかなと考え、帰り道にレンタルしていたものを皆へと差し出す。四角いプラスチックケースに収まっているそれは、映画のDVDだ。 DVDなのでタイトルしか読めないけれど、その不吉そうな文字を見て、今度はマリーとウリドラが頬をひくりと引きつらせた。 さて、作戦を決めたら始めようか。 誰にも褒め称えられることのない、勇者候補殺しを。